つづき

さて、ついこのあいだのことだ。
新入りがやってきて俺にこういった。
「やあ、あなたはどうやらここで最年長らしいですね」
いきなり話しかけてきたからこっちもびっくりしたんだがな。
あえて冷静な振りを見せずにそれとなく返事を返した。
いろいろとここでの境遇を聞かれたが
いろいろと詮索したあとそいつは俺にこう告げた。
「今にあなたもここのことがわかりますよ」


果たしてそいつがいったことがなんなのかはわからない。
そしてここのこととはいうものの、ここがどこなのかもわからない。
そんな状況でなにがわかるというのだろうか。
そして最近気になることがある。
作業がうまくできなくなってきたことだ。
どうやら時が俺の動きを鈍くしているらしい。


まあ、奴の戯言だろうとおもっていたが・・・。
どうやらここのことを知るときがきたようだ。
俺につけられているタグがはずされた。
そして広い場所へ移された。
自由に歩けることが恐怖となった。
狭いところに慣れていたせいか、
それともいきなりこんなところへ放り出されたせいか。


いずれにせよ何かが始まるらしい。